家族がうつ病に|メカニズムを知れば接し方も解る~最大の支援とは

4人家族

うつ病の苦しみは、なった人にしか分かりません。

しかし、その家族の方々の苦しみもまた、経験しないと分からないのです。

まずは、うつ病とはどういう病気なのか?を理解しましょう。

得体のしれない『心の病気』よりは、明確な『脳の病気』であると認識すれば、本当に治る病気なのだと分かり、心構えも違ってくると思います。

うつ病とは、脳が『過剰な防衛本能』を発揮している状態です。

別に生命維持に脅威とはならないストレスでも、脳が危機的状況と勘違いしています。

脳に、「もうピンチは去った」「もう安心しても良い」と分かって貰うことをベースに考えれば、おのずと『接し方』が見えてくると思います。

うつ病のメカニズムについては、こちらで詳しく解説しています。病気への理解を深めることが、第一歩です。

うつ病の原因|ストレスによる『扁桃体(感情)の暴走』が招く脳の機能不全
うつ病は、心の病気ではなく脳の病気です。そして治せます。脳内で何が起きているのか?うつ病の原因を理解すると何が有効な対策なのかが解るようになります。なるべく簡単に解りやすく説明しているので、うつ病の克服に役立ててください。

ご家族のストレスを軽減するために

ご家族の方が疲れてしまわないように、以下のことを心に留めておきましょう

  1. うつ病は、『よくなったり悪くなったり』を繰り返しながら、時間をかけて治癒していきます。「どうして、また悪化するの?」とガッカリしないでください。
  1. うつ病の人は、悲観的な言葉ばかりを並べるため、「そんな考え方していたら、健康な人でも精神を病むよ」と思うかもしれません。それは逆です。脳が作った『幻想』が言わせている言葉なので、巻き込まれて動揺しないようにしましょう。
  1. 病状が良くなってきた時が危険です。周りから見ると、もう治ったように見えるからです。そのため、「怠け癖がついた」と映るかもしれませんが、当人はまだ辛いままです。ここで無理をさせると、治療が長引きます。

うつ病の人が考えていること

度重なるストレスのせいで、扁桃体によりもたらされる感情は、極端にネガティブな方向へ偏っています。自分の意思とは無関係に、四六時中ネガティブな感情に支配され続ける状態を想像してみてください。疲れるとは思いませんか?

更に、そんな自分に追い打ちをかけています。

「自分が情けなくて恥ずかしくて、誰にもあわせる顔がない。もう自分の人生は終わっている。一刻も早く、この苦しみから解放されたい。いっそのこと死んでしまいたい。」

かなりの確率で、似たようなことを考えていると思います。

うつ病の人への接し方

まずは、精神論では解決できない『脳の病気』だと理解し、ストレスを与えないことです。言うべきかどうか迷った時は、「この人にとってストレスになるだろうか?」と一呼吸おいてください。

いっそのこと、「もしも、ストレスになるようなことを言ったら、ごめんね?嫌だったら、教えてね。」と言っておけば、まず大丈夫でしょう。いくらうつ病を患っていても、別に「分からず屋」になる訳ではないですからね。

そして、「絶対的な味方だよ」と示してあげるのが一番です。

具体的に、よく言われる禁句を見ていきましょう。

責めない

既に自分を相当責めているのに、追い打ちをかける行為です。

原因探しをさせない

辛い記憶を呼び起こさせるのは残酷です。

大した悩みではないと説教しない

本気で悩んでいることを否定されるのもストレスです。

励まさない

これについては、ケースバイケースだと思います。

「仕事を始めれば治るよ!」なんの根拠もないプレッシャーですね。

「ゆっくりで良いから、焦らずに治していこう」これは、大いに元気づけられます。

最後以外は、無用なストレスを与えていることが解りますよね?

ただ、あまりに「禁句」を意識すると、何を言っていいのか分からなくなり、かえって腫れ物に触るような態度になってしまいます。それは確実に当人にも伝わるので、よくはないですね。

上記に述べたとおり、「言ってしまったらごめん。これからは気をつけるから」と言っておいて、いつも通り、自然に接するのが良いです。

サポートできること

うつ病患者にとって、良い医者を探すのは大変な作業です。

病気に耐えるだけでエネルギーを消耗していて、外に出るのも億劫なのに、幾つもの病院に足を運ぶ元気はありません。とりあえず、少しでも症状が緩和される薬が処方されるだけで、妥協している可能性もあります。

現在、信頼できる医師に出会っていないなら、医者探しを手伝ってあげて欲しいのです。

悪い医者に遭遇することの危険性を、私の体験談から感じてください。

史上最悪の病院

私は、2か所連続でババを引きました。

1か所目にかかったとき、精も根も尽き果て、蚊の鳴くような声でしか発音できないようになっていました。おまけにパニック障害も起こしていて、生きることよりも死ぬことの方が身近な状態でした。藁をもつかむ気持ちで病院に行くと、前に女医が座っています。

「声が…、出ないんです…。」と蚊が鳴くと、

その女医は「出てるじゃない!」と言い、

「パニック発作が辛くて…」と蚊が鳴くと、

「うーん、うん、辛いよねー。エビリファイ出しとくから、1日1回しか飲まないでね。はい、終わり!」と言い放ち、カルテを勢いよくパタン!と閉じるのです。

大きな失望を味わった私は案の定、その夜にパニック発作を起こしました。しかしその薬の効果が少なかったため、翌日も病院に足を運びました。

その日はおばさん(女医)がいなくて、今度はグレー色のジャージの上に白衣をだらしなく羽織った男性の医者です。

私は振り絞るような声で

「次に発作が来たら、もう耐えられずに自殺してしまうかもしれません…。」

とジャージの医者に訴えたその時、返ってきた言葉は一生忘れないでしょう。

「はーい、死なないでくださーい。頓服出しておくから、待合室に戻って大丈夫だよ。」

とジャージは言い放ち、カルテをパタン!と大きな音を立てて閉じたのです。

この病院に殺されたうつ病患者は、たくさんいるのだろうなと愕然としました。

毎日のように『自殺志願者』と対峙していて神経がマヒしているのか、5分間以上診察しても診療報酬が変わらないから、診療時間が長い『重度のうつ』を除外しているのかは分かりません。しかし、どのような理由であれ、患者に寄り添う気持ちがないのなら、医者は医者を辞めるべきです。

人間としての落伍者に、精神科医を名乗る資格はありません。もはや犯罪です。

初日に遭遇したおばさん(女医)は、あろうことか、その病院の理事長です。名前を出したいけど、ここは我慢しておきます。

2か所目は、ここまでは酷くなかったので、割愛いたします。

最大のサポート

このことを母に話すと烈火のごとく怒り、「怒鳴り込みに行く!」とまで言ってくれました。正直、救われましたね。「絶対的に味方でいてくれるのだ!」と実感できたからです。

そして妹と一緒に、最高の医師を探してくれたのです。

最大のサポートは、やはり病気を理解する。または、そう努めることです。そうすることで、「絶対的に味方なのだ」と伝わり、安心感を与えます。

理解を深める効果的な方法は、一緒に良い医者探しをし、可能な限り通院に同伴することです。私の母がそうしてくれたように。

当人が嫌がるようなら強制すべきではないですが、「病気のことと、あなたのことを理解したいから」と理由を述べれば、納得するかもしれません。

医者探しにおいて頼りになるのは、やはり口コミです。それも、信用できる間柄の人からの情報です。あらゆる親族・友人のネットワークを使って、信頼できる医者を見つけるサポートをしてあげてください。

信頼できる医師の存在そのものが、大きな治療効果を発揮すると私は考えます。それは絶望しか知らない状態の中で、僅かでも『希望』が顔を出す瞬間です。

医者選びの注意点

口コミなら、良い医者に出会える確率は上がりますが、100%ではありません。相性もあるでしょうし、実際に診察を受けないと分からないことはあります。重要な指標となるのは、医者と信頼関係を築けるかどうかです。

以下のような医者には注意してください。信頼する気になれません。

  1. 話を聞いてくれない・途中で遮る

精神疾患の診断は、ほぼ問診のみで行われます。それなのに話を聞かないのでは、

逆に、「何を手掛かりに診断しているの?」と聞きたくなります。

とりわけ初診では、患者に関する情報をなるべく多く聞き出し、診断と処方を行います。通常であれば、最低20分~30分は必要でしょう。

患者が多くて忙しいのは分かりますが、信頼する気になりませんよね。

  1. 家族が同伴すると嫌な顔をする

これは理解に苦しむのですが、そういう医者はいます。中には怒鳴る医者すらいます。

うつ症状が強いと思考が鈍り、上手く説明できない場合があります。そんなとき家族からの「家での様子、こんなことを言っていた」は、むしろ診断する上で貴重な情報源です。

また、うつ病の改善には家族の理解が不可欠であることは、医者でなくとも知っています。そういった意味でも、家族の同伴はウエルカムなはずです。

診察時間が長くなるのが嫌なのか?質問されたくないのか?解らん!

  1. 薬や治療方針について質問すると不機嫌になる

こういう人は、自分のことを医者だと思っていません。『お医者様』だと思っています。

だから、「素人は口出ししないで、黙って言うことを聞いていろよ!」と苛立ちます。

そもそも、薬の副作用などは、こちらが聞くまでもなく説明する義務があります。それを質問されて気分を害するなど、言語道断です。

診療報酬制度に問題があること、患者数の増加に対処しきれないことを考慮しても、「だったら、なぜ精神科医になったのだ?」と言いたくなります。さんざん偏見に苦しみ絶望している中で、地獄で死に神に出遭ったような気持にはさせないで欲しい。

最後に

うつ病というやつは、かかった当人にも、その家族や友人にとってもショッキングな出来事で、強いストレスが降りかかってきます。

母と妹のことを、「うつ病患者に使ってはならない言葉の広辞苑」だと思っていた時期がありました。しかし、私を再起不能の状態から救ってくれたのもまた、紛れもなく母と妹なのです。今は、本当に、心から感謝しています。直接は言いませんけど。恥ずかしいから。

以前では考えられない言動や行動をしているのであれば、それは間違いなくうつ病のせいです。変わったのではありません。病気さえ治れば、元に戻ります。

いつか必ず頑張れる時が来ますから、長い目で見てあげてください。