うつ病再発への対処法|もう再発しないために可能なら行いたい3つのこと

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うつ病再発への対処法|重症化しないために必ず行うべき5つのこと
うつ病は再発性の高い病気で、2~3年以内に50%以上の人が再発すると言われています。なんと、再発しない人の方が少ないのです。 しかも再発を...

上記の記事では、絶対に行って欲しいことを書きました。

今回の記事では、症状の程度によっては難しいかもしれないが、出来れば行って欲しいことを書いていきます。

それは次の再発を防止する準備をすることであり、また一歩、うつ病克服に近づくことが出来る筈です。

その1.うつ病の悪化を防ぐ環境を作る

うつ病を引き起こすストレスが分かっているなら、対策も取りやすいでしょう。端的に言えば、そのストレスから避難すれば良いことになります。

  • 職場の上司が原因なら、部署を変更してもらう
  • ご近所トラブルが原因なら、思い切って引っ越す
  • いじめが原因なら、転校する

といったことです。

どれも簡単なことではなく、大きなエネルギーと決断を必要とするでしょう。しかし、直接的な原因から遠ざかるだけで、病状が良くなることは多くあります。

うつ病に有害なのは、「慢性的なストレス」「蓄積されたストレス」です。単発的で短期間のものであるなら、誰にもある一時的な落ち込みで済みます。

一人で抱え込まず、周りに相談することです。

職場での配置換えなどは医師に相談し、「転属が望ましい」旨が記された診断書を書いてもらう等しましょう。

私がうつ病再発で行った対処

私は以前、信頼しきっていた上司に裏切られ、会社を辞めることを余儀なくされました。本当に、「二度と人間を信じるものか」と思わせる、残忍な行いでした。

私は、信頼していた人から裏切られることと、そこから来る「怒り」の感情を我慢することが、うつ病に繋がることが経験から分かっています。

案の定、うつ病が再発しました。この病気は、治るには時間がかかるのに、悪化するのは一気にというケースも少なくありません。

その危険を感じた私は、その日の内にジョギングを再開しました。

実は、椎間板ヘルニアなどで、半年以上に渡って運動が出来ずにいました。しかし、うつ病悪化の予感が、腰が痛いことなど、どうでも良いことに押し下げてしまいました。絶対に、二度とあんな経験はしたくありませんからね。

まず運動により、脳の『前頭前野』と『海馬』の機能を保ち、「思考低下」を防ぎました。これをしないと、今置かれた状況に対する、有効な対策を考えることが出来ません。

脳の構造

次に、うつ病を悪化させない環境を作りました。危険な要素は以下の3つでした。

  1. 誰にも相談できず、独り悔しさに耐えねばならない
  2. 孤独な就職活動をし、落ち込んでも気分転換できない
  3. 外出機会が減り、引きこもり状態になる

それを防ぐにはどうすれば良いか考え、就労移行支援センターに連絡し、通える手筈を整えました。これにより、同じ病気を持つ人たちとコミュニケーションをとる機会と、就職活動に失敗しても帰る場所を確保できました。

これは、うつ病を科学的に理解し、客観的に眺めることにより、頭が回らなくなる前に動いたために、環境を構築できたのだと思います。

結果、それ以上悪化することはありませんでした。

場合によっては休職も必要

仕事をされている方は、なかなか休職に踏み切れないと思います。

ただ、部署変更の希望も通らず、同じストレスを慢性的に受け続けるのなら、それはとても危険な状態です。脳も身体も、ストレスホルモン過剰の緊張状態に晒され続けることになります。当然、疲労は蓄積していきます。

長期間休んでしまうと、会社での自分の居場所がなくなるのでは?という危惧の念は、よく理解できます。上記で上げた私の事例では、無職になることを意味していますから。

しかし本当に悪化してしまうと、危惧どころか「もう自分の居場所はどこにもない」と、根拠のない確信を抱くようになります。

それどころか、強い自殺願望が沸き起こってくるかもしれません。

もちろん、人生に関わるような重大な決断は、一人で行うべきではありません。家族や主治医に相談してください。

とにかく、一人で抱え込んではダメです。

その2.うつ病を誘発する感情を特定する

上記のように、ストレスが特定できるケースばかりではありません。これといって心当たりが無い場合でも再発してしまうのが、うつ病の理不尽さです。

その場合は、「引き金」になった『感情』を考えてみてください。

ただし、深く考える必要はありません。その時に感じていることを、機械的にメモしておくだけで結構です。それを考えることで辛くなっては、本末転倒です。

具体的な対策を講じるのは、元気になってからです。

「感情」を記憶する『扁桃体』と『海馬』

脳の三層構造とシステム

うつ病は、「感情」を司る『扁桃体』が、慢性的なストレスで興奮することで始まります。

通常、目や耳など、五感から入った情報は、『大脳新皮質』で処理されてから『海馬』に送られ、『扁桃体』と相談しながら、記憶に留める情報を仕分けます。

しかし「強い感情」を伴う情報は、『大脳新皮質』を通らず、直接『扁桃体』から『海馬』へと伝わり、忘れない記憶として強く定着します。

とりわけ、初めて発症した「うつ病」エピソードは、一生忘れない記憶になるでしょう。

なぜ「強い感情」を伴う記憶を忘れないように作用するのか?

それは太古の昔、そこに「生命の危機」があったからです。

もちろん、ポジティブな感情も記憶されます。「狩りに成功した・木の実がたわわに実った樹木を見つけて嬉しい」という『成功の記憶』も重要です。

しかし『失敗の記憶』は、より強烈に印象に残ります。それは「生命の危機」と隣合わせだからです。厳しい自然の中で生き残るためには、失敗は命取りです。同じ失敗を繰り返さないことが、「生命の維持」には必要だったのです。

治ったら対処法を考える

上記を踏まえれば、うつ病を誘発する『感情』には、ある種の傾向があるかもしれません。

感情のほとんどが、記憶によるものだそうです。遺伝子に刻み込まれた根源的な感情もありますが、多くは記憶と照らし合わせて沸き起こります。

書き留めたメモ書きから、今回再発した「引き金」となる『感情』を見つけてみましょう。

再発するときは、「初めて発症した時と同じような症状が出る」と言われます。よって、初発時の『感情』と照らし合わせると、共通点が見つかるかもしれません。

そしてそれは、次の再発を起こさないために活用します。

我慢するストレスは危険

大切なのは、ストレスを抑えるのではなく発散することです。「強い感情」が沸き起こっているだけでも精神的エネルギーを消費するのに、それに蓋をする為にも精神的エネルギーを使えば、疲れるのは当たり前です。

ストレスを我慢するとき、次々にストレスホルモン『コルチゾール』が分泌されてしまい、蓄積していきます。

コルチゾール過剰は脳の神経細胞を壊し、うつ病の重症化に繋がるので、ストレス解消法を幾つか持っている必要があります。

ストレスホルモンに関しては以下の記事にて説明しています。

うつ病の原因|ストレスによる『扁桃体(感情)の暴走』が招く脳の機能不全
うつ病は、心の病気ではなく脳の病気です。そして治せます。脳内で何が起きているのか?うつ病の原因を理解すると何が有効な対策なのかが解るようになります。なるべく簡単に解りやすく説明しているので、うつ病の克服に役立ててください。

見出し「原因その2~動物の脳~野性的」の部分です。

私にとっての引き金

私の場合、引き金となるのは「怒り」の感情です。

厳密には怒りそのものではなく、「まあ、怒る価値もない人間だ」などと大人ぶって、それを抑え込もうとすると、うつ状態に陥りやすいようです。

脳科学的な『うつ病のメカニズム』を踏まえた上で私が行う対処方法は、『運動』で発散することです。まず、筋トレをします。怒りのホルモン『ノルアドレナリン』が分泌されているのでパフォーマンスが上がり、平常時より20回ほど多く行えます。

筋トレで怒りのホルモンを消費した後は、すぐさま河川敷でジョギングをし、『セロトニン』を分泌させます。セロトニンは、興奮系の物質であるノルアドレナリンに働きかけ、気分のバランスを調整する作用があります。

それでもノルアドレナリンが残っているときは、シャドーボクシングをがむしゃらに行います。仮想の相手は、言うまでもなく「憎きあいつ」です。シャドーボクシングは見た目より遥かにハードで、プロボクサーは化け物だと思い知ります。

終わった頃には疲労困憊で、ただただシャワーの気持ち良さに浸っている状態になります。

自分の対処法が、どのような効果があるのか解っている上で行うと、より効果を高めることができます。

自分に合った方法を見つける

引き金となる感情も人それぞれで、ストレスの解消法も色々あります。

お気に入りの音楽を聴く、カラオケで歌いまくる、泣ける映画を見て号泣する、家族や友人に話を聞いて貰って号泣する、バッティングセンターに行く、ボーリングをする等、自分に合った発散方法を見付けるのが良いでしょう。

自分には何が有効なのか、10個でも20個でも見つけましょう。引き出しは多いほど、有利に働きます。

その3.認知(考え方)の歪みもメモしておく

うつ病になりやすい「考え方」をする傾向にある場合、その思考を変えることによって再発しにくくなります。

こちらも、機械的に「思っていること・考えていること」をメモするだけです。対処は元気になってから行います。

治ったら対処法を考える

うつ病自体が、「考え方」を悲観的にさせる病気です。しかし、全てが病気によるものでしょうか?私は自身の経験から、その中に本心が隠れていると思っています。

回復してからメモを読み返した時、同感できる「考え方」があれば、それがうつ傾向を招いている可能性があります。同時にその「考え方」は根深く、かなり現実的だと確信しているため、えるには時間が掛かるでしょう。

そこで、いきなり本丸には切り込まず、「同感できる部分はある」程度にハードルを下げ、外堀から埋めていくのも手だと思います。

やはり無視できない認知行動療法

こういった認知行動療法のような技法は、どこかのタイミングで取り組む必要があります。

しかし、実施機関の数はまだまだ不足しており、医師によるカウンセリングにしか保険が適用されません。臨床心理士によるカウンセリングは、全額負担になってしまうのです。

この、時間・距離・お金の問題で、誰もが受けられる治療法ではありません。

でも、有資格者でなくとも、効果の発揮は可能であると私は考えています。

周りに、「鋭い考え方をするな」「この人は、楽に生きているな」という人が居ないでしょうか?その人に「こういう時、どう考える?」と聞いてみてください。帰ってきた答に「なるほど!」と思えれば、比較的簡単に「考え方」が変わります。

私が以前働いていた会社に、上司の叱責をかわす達人が居ました。その男は実に見事に空気を察し、ダメージを最小限に食い止める様はまさに天才的でした。それがある日、徹底的に、長時間怒られ続けているのを目にし、「さすがにアイツでも、あれは堪えるだろうな」と思いました。

解放された彼を気遣い「大丈夫か?」と声を掛けたところ、「あんなに怒らなくても良いんにな?」と肩を揺らして笑っています。「え?!」と思い「凹んでないのか?」と訊くと「全然気にならねえ」と、質問の意図が解らないと言いたげな顔です。周りにいた人達も爆笑です。

「なるほど、怒られることって、笑いに変えることができるのか」と思った時から、上司と接するのが楽になりました。

一瞬で「考え方」が変わる、良い例だと思います。

最後に

うつ病の再発率が50%以上というデータを見ると、基本的に再発するものだと思っていた方が無難でしょう。

だからと言って、諦めて再発するに身を任せようという訳ではありません。そう思っていた方が、日頃より予防の意識が高まるだろう、という意味です。

誰もがかかり得る病気であることを考えれば、ストレスへの対処法を用意しておいた方が有利です。一つでも多く、増やしていきましょう。